1.騒音トラブル

いじめ対策のホームページでのっけから恐縮ですが、私はいじめられた記憶も、いじめた記憶もないので、ご近所の騒音トラブルを解決した事例を紹介します。
あまり関係ないと思われるかもしれませんが、皆さんのいじめ対策の一助となると思います。
まずは当時の置かれた状況から説明します。
私の友人が集合住宅に住んでおりまして、隣家にはお子さんが、隣家(仮にAさんとしましょう)の下には独身の方(Bさん)がいらっしゃいました。
やはり子どもというのは騒がしいもので、どれ程静かにしろと諭しても聞くものではありません。
BさんはAさんに度々抗議しました。友人の家にも同調を求めてきましたが、友人はあくまでも中立を宣言し、どちらの立場にも立たないとお伝えしました。
Bさんはお仕事の都合で、夜は起きていて、昼に寝るという生活パターンが多かったそうです。友人はBさんに同情を表明し、集合住宅におけるマナーと授忍義務の話も軽くしました。ここが友人の卑怯なところで、どちら側にも良い顔をしたようにも取れる振舞いをしました。友人が人格者でない証拠です。
Bさんは管理会社にも現状を訴え、Aさんに改善を要求します。Aさんもなんとかしようと厚いカーペットを敷き、お子さんを叱る声もよく耳にしました。友人はどちらの立場も分かるので同情はしましたが、一切かかわり合いになりませんでした。
最初の騒ぎからかなり経ったある日の深夜から壁を叩く音がするのです。初めは空耳かとも思いましたが、日増しに酷くなります。
さらには友人がやっていると勘違いされたのか、今度は上の階からも叩き返す音がします。
音源を調べていくうちに、Bさんの部屋からだと分かってきます。ここで友人私に相談してきました。私は友人にアドバイスし、友人はすぐに行動を開始しました。
まずは二週間、ひたすら記録します。友人は奥さんにも言って、何時何分に何回、あるいは何分間に渡って叩かれたかをメモ帳に書きました。昼間は静かでしが、深夜は記録が容易でした。
次に壁が繋がっている上下の階の住民(Bさんを除く)に聞き込みをし、傍証を得られました。別に証言記録までは取っていません。
次にAさんを呼び、「夜中に壁を叩かれていますよね?」と尋ねると、Bさんとの確執を話して下さいました。他の部屋の住民が出した騒音までAさんのせいだと勘違いされていたようです。友人はどちらにも同情しましたが、降り掛かる火の粉は払わねばなりません。
他の階代表で友人の上の部屋に住むCさんをに協力を依頼します。Cさんはもしかすると、友人を勘違いして叩き返していたかもしれない人物です。容疑濃厚でしたが、確証がないのと、友人としては誤解が解ければ、仮にCさんも友人を攻撃していたとしても、悪意がないと判断しました。Cさんが出していたかも知れない上方の音の記録を削除することにしました。
さて、今度は公的権力に当たる管理会社にAさん、Cさんを伴って訪れます。
記録を提出し(正確には向こうがコピーを取りました)、Bさんの暴挙を止めるべく行動して欲しい、と求めました。
管理会社は案の定、及び腰です。立場としては分かります。誰もがお客さんなのですから。
しかし、ここでCさんが「解決する気が無いのか?」と詰め寄りました。友人はCさんを連れていって良かったとこの時に思いました。AさんはBさんと争う当事者。しかしCさんは純然たる第三者なのです。
管理会社はBさんへのアポイントを取り、友人も同行します。本当は先頭に立ちたくなかったのですが、行き掛かり上やむを得ません。
管理会社だけで行かせるとうやむやになって解決しない恐れもありますし、Aさんだと、Bさんの怒りに火を点けかねません。一応、第三者の友人にしかできないのです。
さて、Bさん宅を訊ねると、Bさんは白を切ります。さらには、管理会社に「何であの時はまともに取り上げずにこういう時には来るんだ」と食って掛かります。
友人は内心同情しながらも、他の住戸全てがあなたの行為に気付いてますよ、と告げます(本当は嘘です。友人は知り合いにしかサンプリングしてません)。
さらには、病人がいて、あなたの騒音で病気が悪化した場合、Bさんが傷害容疑で逮捕される可能性を示唆します。当時、騒音問題で傷害で起訴されたケースがあったので、リアリティを持っていました。
実は病人がいたかどうかは知らなくて、かなり高齢のお年寄りがいました。高齢ならどこかに病気があっても不自然ではありませんよね。ただ、Bさんはご近所の状況を知らず、こちらはさも知っているかのように振る舞っていたので、説得力が違います。Bさんは決して非を認めようとしませんでしたが、友人はBさんの御託を打ち切らせ、「あくまでも目的は夜中の騒音を止めることであり、Bさんを非難しに来たのではない」と告げます。
さらに「もしAさんの騒音で文句を言いたい時は管理会社と友人にメールが欲しい」と言いました。(その後メールが来ることは一度もありませんでした)
結果として、その日から深夜の騒音はなくなりました。友人は戦略目標を達成しました。その後AさんとBさんとの関係がどうなったか知りません。友人の関知するところではありません。
ここでポイントをおさらいします。

① 戦略目標を絞ったことが第一の勝因
別に騒音の被害を声高に訴えたいわけでも、賠償金が欲しいわけでも、ましてや正義の実現などとたわけた目標を掲げたわけではありません。Bさんがギリギリ譲歩出来そうな目標にしたのです。もし、裁判となったら泥沼となり、誰も幸せになれなかったでしょう。さらにはAさんの幸せを解決しなかったのも、それはAさんの責務であって、友人の責務ではないからです。極めて利己的ですが、誰もが納得できる内容です。

② 敵を包囲したことが第二の勝因
証拠という武器と、ご近所情報を駆使して大義を手に入れました。その錦の御旗を振り翳し、Cさんを味方に付け、管理会社という公的機関を動かしました。騒音の存在を最初に認めなかったCさんを味方にする際も、他の階にも被害者がいると半分嘘(他の階の人は騒音を不審に思ってましたが、積極的に解決したいとまで思っていませんでした)を使ってます。ここで全ては決したといっても過言ではありません。

③ 敵を最期まで追い詰めない
友人はもしかすると騒音で攻撃していたかもしれないCさんを許して味方にしました。(繰り返しますがCさんがやった証拠はなく、上方からの騒音は疑惑レベルです。いずれにしても反撃のためであり、仮にクロだとしても動機は納得できます)
さらには張本人のBさんも追い込むことはしませんでした。これは兵法のバイブル・『孫子』にもあります。「囲師は欠くべし」まは「窮寇に迫ることなかれ」です。追い詰めた敵を攻撃してはいけません。必ず逃げ道を用意し、そこに誘い込むのです。何が戦略目標か肝に銘じるべきです。

④ 正義は手段であり、目的ではない
皆さんは世直しをしたいのではなく、目の前のいじめを解決したいだけですよね? 友人は正義を装った悪党である私のアドバイスに乗って、悪用しましたが、それを目的にはしませんでした。だからAさんもBさんも救っていませんが、最初から最期まで目的は深夜の騒音を止めさせる、ですから何も問題はありません。
戦い方は参考になると思います。

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