16.いじめられないために

いじめられないためには何をしたらいいでしょうか?
この章ではいじめられる前の段階での戦略を述べます。初期段階でしたら、応用できますが、酷いいじめに遭っているなら通用しません。他の章を読んでください。
さて、再三述べておりますように、いじめの原因は反撃しないことにあります。
ですから防止する効果的な方法は反撃です。勘違いしていただきたくないのですが、勝つ必要はありません。
手を出すと痛い目に遭うという経験を相手にさせればいいのです。
では親や兄が替わりに痛い目に遭わせればいいか?
そうではありません。それは卑怯なだけで、自力で解決できないといじめっ子に教えるだけです。
私は小学生の時に二回、親の都合で転校しました。しかし、一度もいじめられた経験はありません。
なぜなら、私は喧嘩っ早いほうではありませんが、売られた喧嘩は必ず買う主義だったからです。相手が強いか弱いかなど関係ありません。小学四年生の時に六年生と喧嘩したこともあります。当然負けました。しかし、相手は「勇気のある奴だ」と誉めてくれました。臆病者と蔑まれるよりは、勇敢な敗者のほうがマシです。
殴られるよりも、いじめられるほうがはるかに痛く苦しいはずです。
だから、戦うことをオススメするわけです。ただし、やり過ぎてはいけません。絶対に自分が与えられた以上のダメージを与えてはいけません。
うちの子には意気地がない? そんなことはありません。ちょっと自信がないだけです。自信が足りないなら戦う術を教えてあげてください。あなたにノウハウがないのなら、プロに習わせてください。
「世の中、暴力では解決しない」
そのとおりです。暴力だけでは解決しないし、暴力で解決する世の中であってはいけません。
しかし、現実は暴力も世の中を安定させる道具として利用されております。警察官が銃を持っているのは何のためですか? 銃が抑止力になったり、実際に発砲したりして事件を解決しているのです。
子供の世界も大人の社会の縮図です。決して理想郷ではありません。互いに牽制し合い、均衡を保とうとしております。
だから、必要以上に譲ると、バランスを保つためにあなたのお子さんが縮こまっていなければならなくなります。
そんな世の中は悲しいですか? とんでもありません。こんな平和な国にいるから、そんな甘い理想論を言えるのです。
私が育った国は、庭に毒蛇がウヨウヨし、泥棒除けにどの家にも鉄格子が填まっておりました。火事で逃げられるようにしておくよりも泥棒のほうが恐ろしいのです。
両親は私の姿が見えなくなるとすぐに現金を掻き集めておりました。また、スクールバスに乗り損ねた級友を家に連れ帰ったところ、学校で誘拐騒ぎになりました。
貧富の差に子供ながらも不条理を感じました。だからといって、現地の子供に必要以上の肩入れをしても、何も生み出さないことも知っておりました。
日本人に対するテロの噂が流れると、ライフルを持った警官が数日警備していたこともあります。
現地の人は陽気で、女子供はよく働くけど、男は怠惰で路上でバクチを打つ。平気で嘘も付くけど、人情味もあります。
嘘つきだからダメな人でも、怠け者だから嫌な人でもありません。人間とはもっと複雑で単純に語れるものではありません。
だからこそ、対処は単純です。こちらの意思を明確にし、牽制をしつつ、相手の希望も聴くのです。互いに牽制が働けば、そう酷い事態には展開しません。交渉とは互いの利害を調整して両者が幸せになるためにするものですから。
どうも話が通じないと思ったら、たとえ日本人が相手でも、よその国の人だと思ったほうがいいです。文化が違えば、こちらの意図が伝わりにくいのは当たり前です。
現実を常に冷静に受け止め、そこから対処を考え、牽制と交渉を行う。ひたすらそれだけです。
そのスキルは社会人になっても必要不可欠です。英単語なぞ覚えさせる暇があったら、そちらを覚えたほうがはるかに役立ちます。
大学で一生は決まりませんが、性格は一生を左右します。塾に行かせてまで勉強させるのに、もっと重要なスキルをないがしろにする心境は理解出来ません。
性格は簡単に変わりません。しかし自信を持たせるように経験を積ませることはできるはずです。
いじめられない子供になるためには何が必要か分かって頂けましたでしょうか?
何度も申し上げますが、逃げたからといって叱ってはいけません。最初は誰でも怖いのです。
傷ついて弱っている子に無理強いをしてはいけません。
ですが、傷が癒えたらいつまでも放置してはなりません。
どうしたらいいか話し合い、どうすれば鍛えられるか考えましょう。
話し合うスキルと戦うスキルはお子さんの今後の人生に大いに役立つでしょう。

17.家庭内暴力による対処の仕方

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