6.我が子(自分自身)を鍛える意義

いじめの原因は、反撃しないことにある、と前述しました。障がいがあって反撃ができない場合は例外だと思って下さい。そういう場合は周囲や大人が全力で護らねばなりません。周囲の子供たちを教育・指導できない親や教師の怠慢です。

ここは一般論として話します。いじめを避ける最良の手段は格闘技です。誰もマイク・タイソンやヒクソン・グレーシ-(少し古いですね)をいじめようとは思わないでしょう。だから格闘技の達人とはいかないまでも、ある程度のレベルまで修得させればいいのです。
力が弱いから格闘技を習っても無駄と思っておりませんか? それは誤解です。むしろ体格差がどれほどあろうと、体重差や腕力にどれほどの差があろうと、技のレベルが違えば、素人は達人に絶対に敵わないのです。体重が100kg違おうと、素人相手なら羽毛よりも軽く飛びます。なぜなら力などほとんど使っていないからです。
しかし、ボクシングでも柔道でも体重別の階級があるではないか? 私は技のレベルに差があれば、と申し上げたのです。体重百キロの巨漢が体重四十八キロの女子オリンピック選手に勝てると思いますか? 百回やったら、百回巨漢の身体が宙を舞う姿が私には想像できます。ただ、素人が投げられたら、二、三回でへばってしまうので、同じ人が連続百回は無理でしょうね。それがベンチプレスの世界記録保持者であろうと、格闘の素人である限り、勝ち目は万に一つもありません。いかに力を使わずに相手を倒すか、が格闘技なのですから。

ではオリンピック選手並みに強くなければならないか? というとそんなことありません。具体的にどれくらいのレベルに達すればいいか、は率直にいうと断言するのは難しいです。相手との技のレベルが開けば、何でもいいとは思います。ひとつの目安としては(武道なら)初段以上なら、素人に負けることはないと思います。稀にセンスの良い素人というのはいて、例えば柔道の立ち技でセンスのいい素人に苦労させられることはあります。ただ、寝てしまえば、もはや陸に上がった魚も同然、如何ようにも料理できます。水の中とか、寝転がった状態の格闘というのはやってみれば分かりますが(普通の人はやらないと思いますが)、全く違う法則が働くのです。何度も技を研かないと、その世界を支配することは不可能です。ですから、格闘技をある程度は極めましょう、なのですが、一つの目安です。ボクシングや他の海外由来の格闘技は詳しくないので、その格闘技での目安は調べて下さい。

初段を虐めることができる腕前のいじめっ子なんているはずがありません(部活の中でのシゴキはあると思いますが、あれもある種のいじめですかね)。そんな腕前のいじめっ子が仮にいたとしたら、今度は別の戦い方があります。仮に空手や柔道の道場に通っていたとして、かなり強い選手がいじめっ子だったとしたらスキャンダルです。まず師匠が許さないでしょう。
ということで、格闘技の意義はご理解頂けたかと思います。

ただ、現在いじめられている度合いがレベル4以上なら、鍛えている暇はありません。気付いたらすぐに大人が介入して、作戦を練り、周到な準備をして下さい。初段をとるなんてどんなにセンスが良くても一年以上かかります。また、小学生だったら、なかなか取れるものでもありません(そのかわりいじめっ子のレベルも低いので、初段じゃなくても充分に勝てます)。身体を鍛え、一緒に精神を鍛えるのは悪くありません。ただ、即効性はありません。そんなことを始めるよりもずっと早く悲惨な現状を変えるべく証拠集めと交渉に入って下さい。
ここで格闘技を修得する意義を説明した理由は、あくまでも長期的なスパンでいじめを防止する最も有効な手段は格闘技だと言いたかったのです。決して目の前の悲惨な現状を解消する即効性のある万能薬ではないことを認識しておいて下さい。
普通の人なら、二年ほど真剣にやれば、そこそこ習得できます。問題はあなたが、あるいはお子さんが病弱か障がい者であった場合です。肉体的に無理が利かないと強くなるのは難しいでしょう。
ちなみに、『五体不満足』の乙武洋匡氏は幼い頃から喧嘩が得意で、手足がないなりの喧嘩の仕方を編み出していました。勝つ必要はないのだから、気概さえあればそれなりに闘うことはできるという事実は付け加えておきます。

7.ビッグスティックディプロマシー

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