7.ビッグスティックディプロマシー

ビッグスティック・ディプロマシーとは、20世紀初頭にアメリカ合衆国が外交の基本戦略とした考え方です。いじめに対する一番効果的な戦略であると考えますので、ご紹介していきましょう。
その根幹は「大きな棍棒を持ち、ただ微笑む」です。つまり、強大な軍事力を行使するのではなく、ちらつかせながらも友好的な態度で接する、がミソです。軍事力を行使してしまうと、互いに傷が付きます。さりとて友好一辺倒では相手がナメてかかり、こちらの主張に耳を貸しません。だから相手に「大きな棍棒」をちらつかせ、こちらの要求を呑ませようとする戦略です。
いじめに対する場合の「大きな棍棒」とは、相手を追い詰める証拠であったり、格闘技の技量であったりします。
ビッグスティックに関して、金はビッグスティックにならないか、という考え方もあります。
金そのものは飴でしかなく、笞を用意しなければ、ただの供物を捧げる奴隷にしかなりません。ヤクザに上納金を渡すのと同じ話で、いじめを解決したとは言い難い関係です。金を使うなら屈強なボディーガードでも雇うしかありません。子供の世界には限定的にしか関われない以上、貴重な資金、資源はもっと別なことに使うべきではないでしょうか?
餌を与えても束の間の平穏しか手に入らず、餌が切れると前よりも激しく暴れ出すのが動物です。あなたが山小屋で生活していて、体重五百キロのヒグマが毎日餌をねだりに来ていると仮定しましょう。小さな山小屋にヒグマを満足させられる餌がいつまでもあるでしょうか? いつかは銃か何かを持ち出してヒグマを追い払わなければならなくなります。その時にあなたは思うでしょう。「最初から銃を出して追い払えば良かった」ヒグマは餌があることを知っており、今まで素直に食料を出していたのに急に攻撃してきたあなたにさらなる敵意を持っていることでしょう。ファーストコンタクトで追い払っておけば、あっさり退散していたかも知れません。人間と動物は違う? どこに違いがありますか?
さて、ヒグマの話はこれくらいにして、ビッグスティック・ディプロマシーの話に戻しましょう。実は我々日本人でも普段から交渉時に行っていることなのです。交渉というのは個人対個人、会社対会社でもよく行われております。誰しも皆、自己の都合が良いように話を運びたい。されど互いの利害は対立しているなんて珍しい話ではありません。その時に、交渉材料として色々なネタ、場合によっては相手の非を鳴らす材料だったりします。まずは互いの腹を探り合い、必要になったらネタをちらつかせます。敢えて相手を脅しておきながら、妥協点を作って合意するのです。
もし、あなたが完全勝利を目指したいなら、かなりハードルは高いでしょう。結局振り下ろすことになるかもしれません。その時、あなたも返り血を浴び、また、抵抗する相手によって傷付けられているはずです。
だからといって、ビッグスティックをチラ見せしておきながら、最初から妥協してはいけません。ビッグスティックを振り下ろすぞ、という構えがなければ相手に恐怖を与えられないのです。いつでもやる覚悟はあるが、お前のために止めたほうがいいと思うよ、という態度を貫いて下さい。

8.無視への対処

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